「医学部合格後の学費が最高額の大学は?」

目次

「医学部合格後の学費が最高額の大学は?」
●トップは川崎医科大学
●一人の医者を育てるために
●医学部向け教育ローン最高額は?

「医学部合格後の学費の工面」
●教育ローンは公的機関の融資を検討
●私立大学医学部受験ローンと奨学金で工面した親のブログ

「医学部合格後の気になる学費値下げ」
●藤田保健衛生大学が学費値下げを発表
●近年の私立大学医学部値下げ動向と影響
●学費値下げでますます高まる医学部熱

「医学部合格後の学費が無料」
●学費が無料の医学部3校

 

 

 

「医学部合格後の学費が最高額の大学は?」

  • トップは川崎医科大学

全国の医学部がある80大学のうち、国公立大学は6年間の学費が一律350万円ですが、私立大学の学費は最高額と最低額で倍以上違います。

私立大学医学部29校の学費ランキングは以下の通りです。

 

第1位 川崎医科大学 偏差値59.5 学費45,500,000円

第2位 金沢医科大学 偏差値61.7 学費39,500,000円

第3位 北里大学 偏差値62.3 学費38,900,000円

第4位 藤田保健衛生大学 偏差値62.7 学費38,000,000円

愛知医科大学 偏差値63.0 学費38,000,000円

埼玉医科大学 偏差値61.0 学費38,000,000円

第7位 福岡大学 偏差値61.3 学費37,741,260円

第8位 帝京大学 偏差値61.7 学費37,504,090円

第9位 兵庫医科大学 偏差値62.7 学費37,000,000円

杏林大学 偏差値62.3 学費37,000,000円

第11位 獨協医科大学 偏差値60.7 学費36,600,000円

第12位 久留米大学 偏差値62.7 学費36,200,000円

第13位 近畿大学 偏差値64.0 学費35,827,000円

第14位 東海大学 偏差値61.5 学費35,000,000円

第15位 聖マリアンナ医科大学 偏差値59.8 学費34,400,000円

第16位 岩手医科大学 偏差値60.7 学費34,000,000円

第17位 日本大学 偏差値63.7 学費33,100,000円

第18位 東京女子医科大学 偏差値62.7 学費32,840,000円

第19位 大阪医科大学 偏差値67.2 学費31,410,000円

第20位 産業医科大学 偏差値63.0 学費30,490,000円

第21位 東京医科大学 偏差値64.8 学費29,400,000円

第22位 日本医科大学 偏差値67.3 学費27,700,000円

関西医科大学 偏差値65.8 学費27,700,000円

第24位 自治医科大学 偏差値66.5 学費27,500,000円

第25位 東邦大学 偏差値64.2 学費25,800,000円

第26位 東京慈恵医科大学 偏差値70.3 学費22,500,000円

第27位 昭和大学 偏差値66.7 学費22,000,000円

第28位 慶應義塾大学 偏差値72.8 学費21,699,600円

第29位 順天堂大学 偏差値68.0 学費20,800,000円

 

ちなみに私立理工学部(学部+修士)6年間の学費平均額は760万円ですので、私立大学でもやはり医学部はケタ違いの学費だと言うことが分かります。

私立大学の学費ランキング結果を見て分かるように、私立大学でも学費が安い大学ほど偏差値が高い傾向があります。

医者を志望するのであれば、よほど裕福な家庭でない限り、まずは学費が安い国公立大学医学部を第一志望にする受験生が多いのは当然ということですが、国公立大学医学部はもっともレベルが低い大学でも、京大理学部レベルとされますので、学費の安い医学部を希望するには、それ相応の高い学力が求められるということです。

 

  • 一人の医者を育てるために

子どもから一人の医者を育てるために必要な費用は、社会全体で一億円かかっているという話もあります。

私立大学医学部の莫大な学費と、医者になるまでの諸々の費用をペイできるようになるまでは、相当の忍耐と努力を強いられます。

医学部受験は浪人がフツーの世界で、予備校に通い詰め、必死に勉強してようやく医学部に合格したら、卒業まで最短で6年間、研修期間がさらに2年あり、その間の給料は医学関連の書籍費用、学会費用、医局費用のみに消えて行きます。

 

医学部生は教養課程を修了すると、授業や実習で非常に忙しくなるため、在学中のアルバイトをするにしても、細切れの時間を利用した家庭教師のようなアルバイト以外はできません。

要するにやっとの思いで医学部に合格し、医者を目指すコースのスタートに着けたとしても、研修期間を含めた8年間はほぼ無給で過ごさなくてはならないわけです。

 

また、独立して開業しようとすれば、開業医ローンのような金融パッケージで金融機関から融資を受けることになり、その際には不動産などの担保が必要になります。

実家が開業医の世襲であれば、ローンは不要なわけですから、端的に言えば、医者として成功するにはそもそもお金持ちでなければ不利だということです。

 

  • 医学部向け教育ローン最高額は?

医学部生は地方から進学、または地方の医学部に入学するのであれば、生活費も別に必要になり、月10万円かかるとしたら、6年間で学費の他に総額720万円が必要になります。

一般家庭の所得ではとうてい負担できる金額ではありませんが、奨学金や特待生制度を利用すれば、学費の負担を軽減することができます。

また、銀行や信販会社で医学部進学者の家庭向けに設計した教育ローンを扱っています。

 

りそな銀行の「りそな教育ローン」は医学部と法科大学院の修学費用向けに貸出額が最大1,000万円まで、利率は変動金利で4.475%(2012年4月27日時点)、住宅ローン利用者は1.5%利率を下げるプランになっています。

三井住友銀行の教育ローンは有担保型ですが、借入金額は最大3,000万円まで、利率は変動金利で2.975%(2012年10月1日時点)となっています。

所有不動産に抵当権を設定することになりますが、返済は子どもが引き継ぐ親子リレー返済も可能です。

 

銀行や信販会社が大学と連携し、商品化した教育ローンも出てきており、オリエントコーポレーション(オリコ)の「ドクター奨学プランZ」は、複数の医学系大学と連携した利用限度最高額2,000万円の商品です。

入学金や授業料など医学部卒業までにかかる学費をオリコが立て替え、月々の分割払いで返済するクレジット商品です。

 

 

「医学部合格後の学費の工面」

  • 教育ローンは公的機関の融資を検討

医学部の入学金、学費は高額なので、教育ローンを組む家庭が少なくないですが、高金利の銀行ローンを組まなくても、苦学生のために低金利、条件を満たせば無利息で学費を融資してくれる国の制度もあります。

銀行の教育ローンはあくまで公的機関の融資審査が通らないときの最後の手段とした方が賢明です。

日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)の教育一般貸付は、「国の教育ローン」の別名があり、最高350万円(海外留学資金は一定条件付きで最高450万円)まで、固定年利2.15%、最長15年の長期返済でゆとりを持った返済が可能です。

 

世帯収入(所得)の上限額は扶養している子どもの人数により異なり、サラリーマン家庭の場合、1人は790万円、2人は890万円、自営業者の家庭の場合、1人は590万円、2人は680万円、条件を満たせば上限額はサラリーマン家庭が990万円、自営業者の家庭は770万円まで緩和されます。

日本政策金融公庫の教育一般貸付より有利な条件で貸し付けてもらえるのが、日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金制度で、第一種と第二種の2通りがあります。

第一種奨学金は無利息で貸与月額は学種別・設置者・入学年度・通学形態別に決められています。

 

第二種奨学金は年利3%を上限とする有利子貸付ですが、在学中は無利息で、審査が厳しい第一種奨学金より基準が緩やかになっています。

申し込み時に機関保証と人的保証のどちらかの保証制度を選択する必要があり、機関保証は一定の保証料を支払って保証機関の保証を受ける制度で、毎月の奨学金から保証料が差し引かれます。

人的保証は連帯保証人と保証人の両方を選任する保証制度です。

尚、日本政策金融公庫の教育一般貸付は、日本学生支援機構の奨学金と併用が可能です。

 

  • 私立大学医学部受験ローンと奨学金で工面した親のブログ

フツーのサラリーマンの子どもが私立医学部を受験し、子どもにとっては最良の人生のスタートとなりましたが、高額の銀行教育ローンを組んだために親自身の将来計画が見えなくなり、そこから子どもを無事に私立医学部に入学させた実体験を綴ったブログから紹介します。

 

・私立大学医学部合格が決まって

子どもも家族も医学部に進学するつもりで張り切っていますが、妻には金銭的な課題を相談し、これからの6年間、家計を節約してもらうことを約束してもらいました。

しかし、家計を節約するだけでは到底足りない金額です。

3,000万円の銀行教育ローンのめどが立ったので、何とか6年間の学費の支払いを工面することはできそうですが、総額で4,000万円以上かかりそうなので、あと1,000万円以上の収入が必要になります。

 

もともと医学部受験を決めたときから、国立大学医学部でも第2志望の私立大学理学部のどちらでも学費、生活費などで1,000万円は工面しようと思っていたので、今の蓄えを考えると数百万円工面する必要があります。

6年間で支払うとしたら毎年100万円くらいの節約を目安にすることになります。

子どもは兄弟2人いるので、兄の医学部進学費用だけでなく、弟の将来の学費のことも考えてあげないと、今のままでは弟の学費の蓄えはできません。

 

銀行教育ローンは医学部卒業後に3,000万円を10年間で返済することになり、返済は親子で分担することになったので何とかなるかなと考えています。

ちょうど自分の退職時期と重なるので、退職金で賄えそうですが、すべて返済に回すと自分の老後の設計が不安になります。

 

・合格発表のたびに手続き費用が発生

医学部合格までは本人の努力ですが、合格発表以降、私立大学医学部に通わせることができるかは親の肩にかかって来ます。

私立大学医学部の場合、合格発表から入学手続きを完了させるまでの期間は大学によりますが、最短で1週間のこともあり、その間に数百万円から1千万円くらいの振込みをすることになります。

入学金も各大学でまちまちで100万円から200万円のところが多いですが、入学手続きをした後に他大学への進学が決まり、入学辞退の手続きをすれば、入学金は返還されるようです。

 

ただ、私立大学医学部だけでなく、国公立と併願している場合、受験日程の関係上、合格発表が遅い大学に志望順位が高ければ、合格が決まった大学の入学手続きをした方が良いか、悩むことになります。

志望順位が高い大学に入学手続きをした場合、先に合格した大学は入学辞退の手続きをし、入学金以外の納入金は返金されますが、返金されない入学金が100万円から200万円、損金として発生します。

辞退する大学が1校であれば良いですが、場合によっては2校になるかも知れず、その場合、それだけ上位の志望大学に入学できると割り切るしかありません。

 

学費が高い私立大学医学部に正規合格し、同時に学費が比較的安い好条件の私立医学部に補欠繰上げ候補というケースもあり、その場合は正規合格の大学に先に入学手続きをすることになると思います。

1,000万円程度の入学金が必要な場合もあり、補欠繰上げ合格となったら、そちらに500万円程度必要になりますので、先に振り込んだ大学から返金があるまでかなり心細い状態になります。

どちらにしても100万円程度の損金は発生すると思った方が良いでしょう。

 

・親の老後の生活設計

子どもの医学部進学で必要な費用は4,000万円以上で、このうち1,000万円は出費を予定していたので除外し、3,000万円を銀行教育ローンで工面した後の数百万円は、学生支援機構の奨学金を借りることにし、医学部卒業までの6年間は何とかお金の問題は解決できることになりました。

ただ、3,000万円という高額の銀行教育ローンが、これから老後の生活設計を考えている夫婦には負担が大きいのではないかという不安が残ります。

そこで、医学生を対象にした奨学金の利用を考えました。

 

貸付額の多いところで6年間に1,500万円程貸与され、医学部卒業後に一定期間指定の医療機関で仕事に従事すれば、奨学金の返還が免除されますので、3,000万円をローン返済しなくて済むかも知れませんし、学生支援機構と併用すれば、もっと返済額を減らせるかも知れません。

可能であれば、返還免除の奨学金1,500万円、学生支援機構から1,000万円、銀行ローンで1,000万円、もともと支払いで用意していた1,000万円、今後節約する数百万円を合わせるとちょうど必要な額面になります。

仮に学生支援機構の奨学金を借りれば、子どもが20年かけて返済し、銀行ローンの1,000万円は親で何とか返済できると思います。

 

ただ、奨学金の貸与を受けられる条件を満たせるかによりますので、確実な資金計画ではありません。

私が定年を迎えるまで11年あり、老後の年金がどのくらい受け取れるのか、気になって日本年金機構の担当事務所に問い合わせました。

途中で転職しているため、年金額の算定に時間がかかるようですが、これからは子どもの教育資金が、老後の生活設計にどのくらい影響を及ぼすのか、切実な問題になりました。

 

・教育ローン利息補助の申請

私立大学医学部に入学手続きを済ませた後、親として経済的な圧迫をひしひしと感じるようになり、子どもも少しでも経済的負担を軽くするために、医学部入学まで短期アルバイトを入れました。

今住んでいる自治体で子どもの教育ローンを組むと、在学期間中の利息の3分の2を補助する制度があり、市役所で教育ローン利息補助の申請をしました。

子ども1人当たりのローン限度額は500万円ですが、利息を計算すると1年あたり12万円程度になり、利息も結構な負担ですが、8万円補助してもらえるのでとても助かります。

 

収入制限はなく、銀行ローンの契約書、学費など必要金額一覧表、大学の合格証書のコピーなど必要書類を提出すればOKです。

これまで気にしていなかった確定申告も、支出を計算してみるとかなり還付を受けられそうだったので、郵送で申告書を送ることにしました。

 

・日々の節約

これから6年間、毎年100万円の節約が必要になりましたので、なるべく出費を抑えるように次のようなことを実行することにしました。

外食に関してはなるべく安いものを中心に、自宅で飲酒する習慣は止めることにしました。

仕事の付き合いがある時だけ居酒屋に行くことにし、自動販売機でお茶は買わず、会社で飲めるお茶にしました。

 

洋服や散髪など身だしなみはサラリーマンの仕事に関わるので、ランクを多少落とし、あとは清潔感を大事にするようにしました。

家族の協力で毎日の食事のおかずは安い物にし、光熱費を節約するために冬はなるべく一つの部屋に集まって家族団らんを楽しみ、就寝時にそれぞれの部屋に行くようにし、風呂は冷めないうちに続けて入るようにしています。

これからは昼食も弁当持参にすることにしました。

 

こういう地道な節約の積み重ねで、毎月5~10万円程度の節約はできそうですが、これまでなかった習慣でかなり不自由に感じます。

かなり無理な試みかも知れませんが、生活が軌道に乗り始めてどのくらいの節約で良いか分かるまで、できる節約はすべてすることにしました。

住宅ローンの借り換えで利率を下げられるかも知れないと聞いたので、借り換えも検討を始めました。

 

あと、車の車検も比較し、街中のカーショップで見積もりをしてもらい、10万円節約することができました。

次の車検の時には車を手放すことになるかも知れませんが。

 

・私立大学医学部補欠合格待ちの間にすること

多くの私立大学では募集人員きっかりか、若干人数を上乗せした数の合格者を出しています。

私立大学の他学部の場合、合格者から入学手続きをする割合を考慮して、初めから多くの合格者を出しています。

これは医学部の特殊性に理由があり、文部科学省の方針、または大学側の実験実習の都合もあり、毎年入学者数はぴったり募集人員である必要があります。

 

合格発表での合格者を正規合格者と言い、多くは併願受験をして、国公立または上位の好条件の私立大学医学部に合格すると合格を辞退しています。

そのような場合に補欠繰上げ合格が発生し、中には募集人員より補欠繰上げ合格者数が多いケースもあります。

大学により補欠合格の通知方法が異なり、正規合格にならない場合、大半の大学では正規合格と同時に補欠繰上げ候補者を発表し、掲示板やインターネット、郵送などで通知されますが、昨年の帝京大学の場合、補欠の通知がなく、いきなり合格通知が届いたということでした。

 

ただ、こういった例は稀で、受験生に補欠繰上げ合格候補であり、繰上げ順位が知らされる場合があり、ネットなどであと何人の繰上げで合格できるか分かる大学や、逆に順位がまったく知らされずに待たされる大学もあります。

補欠繰上げ合格が発生しやすい最大のピークは、正規合格者の手続き締切日です。

国公立大学医学部を第一志望にし、私立大学にまったく行く気がないか、又は上位の私立大学に合格しても、正規合格の入学手続きを一切しないというケースで補欠繰上げが進み、時期で言えば2月の第3週から3月の第1週に当たります。

 

次に補欠繰上げ合格が多いのは国公立大学の合格発表の時期で、毎年この時期は私立大学医学部に一度入学手続きをしているため、辞退を通知して入学金以外を返却してもらいます。

大半の大学は3月31日まで辞退の期限を認めているため、合格者は辞退を急ぐ必要はないですが、例年、この時期は補欠繰上げが多くなります。

返金額が大金になりますので、1日でも早く入学金以外の返金をと望んでいるかも知れません。

 

正規合格がなかなか決まらず、補欠繰上げ候補の連絡を待っている間の親の心境は複雑で、医学部の繰上げ合格の通知が来れば嬉しいですが、実際にそうなると途端にお金が必要になり、手続きに500~1,000万円、6年間の医学部の総額はアパート代も含め、平均で4,500万円ほどかかり、補欠繰上げするかどうかでこれだけの大金が移動することになります。

親として本当に支払えるのか、この先退職金で支払えるか、老後は年金でやっていけるのか、悩みはつきません。

ちょうど一年前はそのような不安でたまらない心境でしたが、その後、銀行教育ローン、返還免除制度のある奨学金、学生支援機構奨学金を利用してなんとか工面できるようになりましたので、他に悩んでいる親御さんもぜひ、色々調べて子どもの医者になる夢を何とか実現させてあげて欲しいと思います。

 

 

「医学部合格後の気になる学費値下げ」

  • 藤田保健衛生大学が学費値下げを発表

学費の値下げを検討していた藤田保健衛生大学が、正式に学費値下げを発表しました。

1年生時の学納金合計がこれまでの900万円から720万円に値下げされ、2年生以降の学費の変更はありませんが、6年間の学費合計が3,800万円から3,620万円に下がります。

私立大学医学部の学費ランキングで、藤田保健衛生大学の6年間の学費は29大学中4番目に高かったのですが、今回の値下げで私立医学部の平均的な学費になっています。

 

学費が値下げされることで志願者の動向に影響が出ており、2014年度に学費の値下げをした帝京大学医学部は値下げ幅が大きかったこともあって、昨年の定員107人に対し、志願者がこれまでより一気に3,000人増えて、8,000人になっています。

藤田保健衛生大学の学費値下げ幅は帝京大学医学部ほどではないですが、今後の藤田保健衛生大学の志願者の動向は要注意だと思います。

 

藤田保健衛生大学では他に特待生制度を拡充しており、一般入試の前期及び前期の愛知県地域枠の成績上位80名は、6年間の学費総額480万円がさらに減免され、特待生で入学すると6年間の学費は3,140万円になります。

昭和大学医学部でもⅠ期とセンター試験利用入試の正規合格者への特待生制度で、志願者の動向に変化がありましたので、藤田保健衛生大学の特待生制度の方も要注目です。

 

  • 近年の私立大学医学部値下げ動向と影響

最近の私立大学医学部入試で注目される動きとして、学費の値下げがあり、値下げを実施した大学ではいずれも志願者が増加し、医学部受験生の動向に影響を大きく与えています。

2014年度入試で帝京大学と日本医科大学が学費の値下げを表明したところ、どちらの大学でも志願者が増加しています。

帝京大学では初年度の学費1,421万円を1,142万円に引き下げたところ、一般方式の志願者は前年比155%と5割以上の増加、センター方式の志願者は前年比169%と7割近く増加しています。

 

日本医科大学は初年度の学費588万円から545万円に引き下げたところ、志願者は前年比115%と1割以上増加しています。

学費値下げの他、日本医科大学では2014年度入試から、いままで大学側が指定していた二次試験の入試日を受験生の自由選択に変更しています。

入試日の設定を受験生が自由に選択できるようになったことも、併願者などの志願者を増やした一因ではないかと考えられます。

 

  • 学費値下げでますます高まる医学部熱

2007年度の国公立、私立を合わせた全国80大学の医学部延べ志願者数は12.8万人でしたが、2014年度は16.9万人まで増加しています。

国公立大学はセンター試験で実際には足切りが行われるため、横ばい状態ですが、私立大学は2007年度と比較すると約55%も志願者数が増加しています。

近年の志願者で目立つのは一般家庭の子どもでリーマンショック以降、長引く経済の停滞でサラリーマンより、経済的に良い条件を求めて、特に理系の秀才たちが次々に医学部志望に変更しています。

 

2008年度の順天堂大学を皮切りにした、私立大学医学部値下げの動きも大きく影響しています。

今では入学費用を含めた6年間の学費が2,000~3,000万円という医学部が増え、14年度入試から6年間の学費を1,170万円引き下げた帝京大学は、2015年度入試で118人の定員に約9,000人が殺到し、実質倍率は70倍以上になっています。

医学部受験では学費・志願者数・難易度の間に逆相関があり、学費が安くなるほど受験者数が増加し、それにつられて偏差値が高くなります。

 

私立大学医学部の学費は首都圏の難易度が高い大学ほど安く、最安値の順天堂大学の学費は2,080万円ですが、偏差値は慶應大学、東京慈恵医科大学に続くトップレベルで、学費が4,550万円と最高値の川崎医科大学の偏差値は53と最も入学しやすいレベルになっています。

慶應義塾大学は偏差値トップランクの73で学費は2,174万円、一方、国立大学の6年間の学費は一律350万円程度ですので、地方の優秀な学生は自然と国立大学に流れてしまいます。

 

そこで慶応大学では15年度入試から、入学時に保証する総額800万円の返済義務のない大型奨学金制度の導入を決めています。

現在の慶応大学医学部生の8~9割は首都圏出身者ですが、大型奨学金制度の導入で、国立大学医学部志望だった地方の優秀な受験生を集めようとしています。

医学部合格までの予備校費用を含めると、医師になるまで数千万円の投資が必要になりますが、定年がなく、平均年収1,154万円とされる医師になれれば、投資は回収できる計算ですので、今後も医学部熱は続くと思われます。

 

 

「医学部合格後の学費が無料」

  • 学費が無料の医学部3校

自治医科大学、産業医科大学、防衛医科大学の3校は医学部の学費が無料で済みます。

自治医科大学と産業医科大学の名目は私立大学ですが、国や都道府県から運営費の助成金が拠出されています。

また、自治医科大学と産業医科大学は国が医師不足解消を狙って設立した国家戦略的な要素を持った大学ですので、国公立大学の趣旨と近い、またはそれ以上に公的な医科大学です。

 

自治医科大学と産業医科大学では学費は免除されますが、実質は貸与であり、卒業後9年間、主にへき地や離島など医療過疎地域の指定医療機関に従事すれば、返済が全額免除されます。

9年以内に指定外の医療機関に異動すると学費の返済義務が発生し、9年間勤務地を選べない制限はありますが、高額な学費が無料になる大変大きなメリットがあります。

防衛医科大学は自衛隊の医療部門の人材育成を目的に設立され、在学中の身分は自衛官ですので、様々な規則があります。

 

全寮制で寮生活が義務付けられ、起床、消灯時間が厳しく、勝手な外出禁止、授業では自衛隊員として実習訓練もあるため、体力面の鍛錬も必要になります。

ただ、防衛医科大学は自衛官(国家公務員)扱いなので、給与やボーナスが支給されます。

学費が無料になる条件は、自治医科大学や産業医科大学と似ており、卒業後9年間自衛隊内で勤務に就くことで、自衛隊の厳しい規則内での生活を強いられることにはなります。